「ちゅうぶ」について
「弁護士過疎」「司法過疎」という言葉を聞いたことがありますか?
医者が一人もいない「無医村」と同じように、裁判所があるにもかかわらず弁護士が一人もいない地域があります。裁判を受ける権利は憲法で認められたものですが、これを活かすためには、日本全国各地の弁護士の存在が不可欠です。
私たち「NPO法人ロースクール奨学金ちゅうぶ」は、将来、弁護士が不足している地域で弁護士として働く意志のある、中部地区の法科大学院生を「奨学金」というかたちで応援しています。
理事長あいさつ
当NPO法人は、日本の法科大学院制度の開始に先駆けて2003年に設立され、以降、本年(2024年)までに62名の奨学生を選出し、その中から10名の「弁護士過疎地域」等への赴任者を輩出してきました。赴任地は、北は北海道・東北から、南は九州・沖縄まで及んでいます。これは、ゼロ・ワン地域(弁護士が0又は1人しかいない地域)解消と弁護士過疎偏在問題対策のためご尽力をいただいている200名余の賛助会員及び寄付者の皆様のご支援の賜物と、関係者一同心より御礼申し上げます。
2011年以降、全国の「ゼロ・ワン地域」は消滅に近づきつつあります。しかし、近時は改めて東京・大阪など都会への弁護士集中の傾向が強まり、弁護士ゼロ地域やワン地域は再発生と解消を繰り返しています。また、弁護士の多くは任期付きで弁護士過疎地へ赴任しており、任期終了時には後任希望者が現れるのを待つしか存続の道はないのが現実です。そもそも地方裁判所の支部管轄内に弁護士が二人いれば司法サービスとして十分と言えるのか、例えば三人きょうだいの遺産分割事件の場合、それぞれの弁護士が必要ではないか、というような問題もありますし、「女性弁護士の不在・偏在」という問題も改めて注目されています。
また、法科大学院にも、大きな変化の波が押し寄せています。
このような状況を柔軟に捉えつつ、前を向いて一歩一歩、活動を続けて行くのが我々の使命だと考えます。
今後とも、変わらぬご理解とご協力の程をお願い申し上げます。
2024年春
NPO法人ロースクール奨学金ちゅうぶ
理事長細井 土夫
法人概要
特定非営利活動法人 (NPO法人) ロースクール奨学金ちゅうぶ 事務局
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